北海道岩見沢駅舎

用途駅舎 / 市役所出張所 / 店舗

受賞優秀賞

構造鉄骨造

※KUS一級建築士事務所での作品

 

岩見沢市は明治15年の鉄道の開通とともに始まったまちであり、岩見沢駅はまさに、まちづくりの出発点でした。2000年12月に消失した旧駅舎は牛舎を思い起こさせるデザインで、約70年にわたり、岩見沢市民に親しまれてきました。岩見沢市では21世紀のまちづくりに向けて、駅前通りを広域交通網を形成する都市軸として、また市街地と利根別原生林を結ぶ緑の環境軸として位置づけており、岩見沢駅と駅前広場はその軸線の起点に位置しています。
このような歴史・背景から、新しい岩見沢駅舎には過去の文脈と断絶した新奇なデザインではなく、旧舎に込められていたまちづくりの記憶を受け継ぎ、新しいまちづくりへと繋いでいく、いわば都市のDNAのような役割が期待されていると考えます。
この提案では、旧駅舎のシルエットを取り入れた切妻型の薄い鉄骨フレーム ( フィン・フレーム ) によって建築を構成しています。シンプルで認識しやすい形状でありながら、駅前広場に対して高い透過性をもった新しい風景を獲得し、岩見沢の新しいシンボルとして親しみやすく、歴史と都市の文脈の中に存在し続ける駅舎を目指します。
また駅は、誰にとっても気軽に立ち寄りやすく、毎日多くの人々が実際に通過していく施設です。そのような「駅」の特性を考慮し、単なる通過点ではなく岩見沢で行われている様々な文化活動のプレゼンテーションの場となり、駅を訪れる人々のコミュニケーションの場となるような滞在型の駅舎の提案であります。

 

 

 

 

 

 

 

 

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