芹が谷の住宅

所在地東京都町田市

用途個人住宅

構造佐藤淳構造設計事務所

照明フォーライツ

施行鈴木工務店

撮影淺川敏

※KUS一級建築士事務所での作品

 

神奈川県横浜市の閑静な住宅街に建つ、夫婦と子供の3人家族のための住宅です。
クライアントは、クラシックコンサートの生音源の録音、編集、保管といった、単なる音楽鑑賞におさまらない活動を趣味とされています。膨大なコレクションは、CDはもちろんのこと、アナログレコードや7インチ、10インチのオープンリール等々の様々なアナログ音源メディアで構成され、その中には世界的にも貴重な音源が多く含まれており、これらの多種多様なメディアを収納することが必須でありました。
また、木造とするならば、国産材の木材を使用し、木の香りのするような住宅にしたいという要望もあり、「収納」と「木造」ということが設計のキーワードとなりました。そこで私たちは、40×235という薄平たい国産杉材を切妻型に組んだ構造フレーム<フィンフレーム>によって構成する住宅を提案しました。 この断面寸法のフレームを、桁行き方向へ300mmピッチで配列すると、最大スパン6.6mの空間ボリュームを切り取ることができます。その住居となるボリュームの中で、フィン柱が落ちる位置をプランニングに応じてランダムに変え、そうすることで、構造的なバランスをボリューム全体でとるようになり、壁面・天井に現れるフィンフレームの単調な表情は、変化に富んだリズミカルな表情へと変貌します。
40mmという薄い柱が落ちるその壁面は、構造要素であると同時に、造作の収納棚であり、木質の「ひだ」となって居住空間を包み込みます。
建物配置はオーソドックスな北側配置ですが、内部のプランニングは緩やかに傾斜した敷地形状に対応し、諸室をスキップさせてボリューム内に展開しています。さらに、隣接する1階リビングと2階寝室に小さな階段を設け回遊性を持たせることで、2階建てながら、パブリックな中間階とその上下にプライベートスペースを持つ三層構成としています。
また、木質の「ひだ」は、空間の強い構成要素として住宅のいたるところに立ち現れるが、取り合う天井(壁)の素材や色の組み合わせを諸室ごとに変えることで、それぞれの空間の雰囲気に変化を与えてます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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