秋田内陸線 阿仁合駅

秋田内陸縦貫鉄道阿仁合駅駅舎改修工事

建設地北秋田市阿仁銀山字新町119

設計高橋・コード・納谷設計共同体

施工第一建設工業株式会社

用途駅舎

構造木造一部鉄骨造

建築面積 321.75㎡

1階床面積 321.75㎡

2階床面積 258.39㎡

延床面積 580.14㎡

撮影淺川敏

 

かつて産銅日本一を誇った鉱山の歴史を色濃く残す地域で、日本三大樹氷や花の百名山の一つとして知られる森吉山の玄関口である阿仁合駅は、旧阿仁合町商工会議所との合築であった。しかし平成の大合併で阿仁合町が北秋田市へと統合され、それに伴い商工会議所が移転となったことで、暫くの期間、建築の過半が空きスペースのままとなっていた。一方で、駅舎部分は最小限の駅機能のスペースしかなく、観光を含めた利用客へ十分なサービスやインバウンド対応など行うには手狭であり、さらに老朽化による建築や設備の不具合が深刻な状況であった。そこで、空きスペースを用途変更し全体を駅舎として改修する運びとなった。旧駅舎の三角屋根のシルエットは長い期間地域の人々に親しまれてきたシンボルとなっていたこともあり、外観のデザインは基本的に継承しつつ、新たな駅舎には売店や飲食スペース、待合スペースなどを充実し、利用者が居心地よく滞在できる空間を目指した。駅の広場側と線路側の両面には大きな開口部を多く設けて駅舎内部と広場、鉄道それぞれのアクティビティーを見える化し、街と鉄道を繋ぐ「滞在型の駅舎」として、そして阿仁合の新たな地域拠点としてデザインしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

©2019 CHORD ARCHITECTS