中通の住宅

所在地秋田県秋田市

設計監理コードアーキテクツ株式会社

施工建築、設備/山二建設資材株式会社

家具/(有)萩原製作所

特殊塗装、輸入壁紙/Wall&D

用途住宅

主体構造RC造

規模地上11階建集合住宅の1住戸

専有面積72.98㎡

工事期間2020/12~2021/04

撮影淺川敏

 

秋田市の中心市街地にある築30年を超えた分譲マンション1戸の改修工事である。当時としては最新の設備を有した物件であったが、気密断熱については現在の寒冷地仕様と比べると満足とは言えないレベルであるため、既存の内装を全て解体し躯体の現し状態とした上で、寒冷地仕様に足るリノベーションを行った。
断熱の仕様は、現行のZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準を参考に、床、壁、天井を板状断熱材で全て覆い、開口部には樹脂製内窓を設え、熱交換式の24時間換気設備も設置した。現在、この地域で販売されている新築分譲マンションよりも高性能な温熱環境を整えることで、既存ストックの再生を試みている。
既存の間取りは、いわゆる3LDKと言われるファミリータイプであったが、今回の計画では、玄関と一体となった「アトリエ」と南東に面する「LDK」の大きな2室とし、その2室をつなぐ廊下と、キッチンから続く、パントリー、洗面室、浴室への動線が接続することで、住戸に回遊性を生み出した。また、LDKを通る設備配管ルートを壁や梁際と設定し、そのスペースを確保するために天井の納まりを円弧とすることで、LDKの天井を可能な限り高くしながら、内部空間の梁型を消去した。また、既成品内窓枠の「後付け感」が出ないよう、枠納まりをデザインしている。また、浴室はハーフユニットを採用し、天井際をガラス欄間とし、アトリエの天井と連続感を創出し、限られた内部空間に明るさと広がりを持たせている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

©2019 CHORD ARCHITECTS