奏でる家

所在地埼玉県入間市

設計監理コードアーキテクツ株式会社

施工建築/保坂建設

用途専用住宅

主体構造木造

規模地上1階

敷地面積139.35㎡

建築面積82.81㎡

延床面積64.39㎡

工事期間2022/09~2023/04

撮影淺川敏

 

東京郊外の住宅地に建つ小住宅である。オーディオと車を趣味とするクライアントからは、それらの趣味に特化した終の棲家としての住宅が求められた。施主との対話の中で、こだわりのオーディオから奏でられる音楽に身を浸す時間が一人住まいの生活において最も重要であることが浮かび上がった。

そこで、リスニング環境を整えた「オーディオリビング」を住居の中心に据え、周囲にぐるりと一般生活のための諸室(キッチンダイニング、寝室、洗面・浴室等)を配置することとした。結果的にオーディオリビングがダブルスキン(2重の被膜)で囲まれることとなり、防音遮音性も向上する計画となっている.

オーディオリビングは、平行壁面による反響を避けるために歪んだ五角形の平面形とし、天井高さを4.2mと高くすることでエアボリュームを増大させ、空間の音響向上を狙っている。構造的には、梁をレシプロカル(相互依存)に架け渡すことで、経済的寸法の梁材を使用した大スパン架構を実現している。また、このプロジェクト用に音響設計されたバックロードホーンを床下に仕込んだ特注スピーカーを設置し、高性能の音響空間を実現しつつ、玄関ポーチの深い庇の下に愛車スペースを取り込み、室内からも眺められるクルマと一体のような住宅を目指した。

趣味(オーディオとクルマ)と空間が混然一体となった生活の風景が生み出されるのが楽しみである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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