風と海の学校 あきた

所在地秋田県男鹿市

設計監理コードアーキテクツ株式会社

施工株式会社 中央建装

用途訓練センター

延床面積315.15㎡

1F 海の間(シミュレーション室)129.27㎡

2F 風の間(通信実習室)120.90㎡

2F 受付(情報技術室)64.98㎡

工事期間2023/10~2023/11

サイン・グラフィックデザイン 石川晶+mi e ru

撮影高橋 希(オジモンカメラ)

 

この施設は、秋田県立男鹿海洋高校の教室やプールを利用して、洋上風力発電総合訓練センターへ改修整備するという全国でも画期的な取り組みである。産官学が連携し、次世代の洋上開発をサポートし、社会的な関心の向上を目指している。
秋田・男鹿の<自然豊かな海と森>を空間コンセプトとしてデザインをした。

最新の航海シミュレーターが設置される実習棟1階の航海シミュレーション室は、美しい海上をイメージしたブルーの床と壁、天井には本物の木材を極薄に加工した内装材を使用しており、秋田の豊かな木の文化を体感できる。廊下側の壁には大きな窓を設け、シミュレーターが通路からも眺められる開放的な空間である。航海シミュレーターやその訓練の様子が、学生の皆さんだけでなく、施設利用者や近隣住民の皆さんにとっても日常的な景色となるよう意図した。そうした体験が洋上開発事業への関心を高め、将来の海洋人材の育成にもつながることを期待する。

2階には、風と海の学校あきたの事務拠点となる受付・講師控室と、研修用の講義室の2つの部屋がある。どちらも神秘的な男鹿の森をイメージし、白とグリーンを基調としたスペースに改修した。可動間仕切りのある講義室は、大人数での講習に対応する一室利用にも、講義と受講生休憩スペースとして二室での同時使用も可能である。

既存学校の余剰教室を最先端の研修・訓練施設として利活用する今回のプロジェクトは、少子化の中で必然的に起こりうる現代の社会課題に対するひとつの対応策を提示しているとも言える。男鹿海洋高校を舞台に、「風と海の学校あきた」の物語が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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