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千秋公園堀遊歩道
所在地秋田県秋田市
デザイン監修コードアーキテクツ株式会社
用途遊歩道
規模延長 254.2m
幅員 3.0m
工事期間2023/9~2024/3
撮影草彅裕
秋田市千秋公園の大手門の堀にかけ渡した遊歩道である。
千秋公園は自然地形を利用して築城した「久保田城」を礎とした都市公園として長い間市民に親しまれ、夏季には古代ハスが一面に咲き誇る中心市街地の名所の一つとなっている。
社会情勢や市民のニーズ等の変化に対応し、誰もが使いやすく楽しめる公園を目指し、親水広場となるポケットパークからつながる、ハスを有効活用した遊歩道を整備した。遊歩道の構造形式は歴史遺構でもある堀底面を荒らさないように浮桟橋形式とした。浮桟橋は、水深が50㎝程あれば構造的に安定するため、歩行者の安全確保の観点から比較的水深の浅い部分に計画している。
歩く視線の先に美しいハスと市街地が重なり、様々に風景が移り変わる歩行体験が得られるように、直線距離50m以内(約45秒)で折れ曲がりながら堀の東西を繋ぐように全体線形を決定し、その折れ曲がり部には、少しの膨らみ<ビューポケット>を設けた。歩行者の動きをスムースに流しながらも、ちょっと足を止めて休憩し、自然と人工物が織りなすこの場所ならではの風景を楽しむ場を創出した。
この特徴的な線形を持つ遊歩道の両端部は、西側は文化創造館の芝生スペースに繋がり、東側は交差点のポケットパークに連続するように、親水広場となる壇上のデッキスペースを設けている。これらは秋田駅周辺と千秋公園の文化芸術ゾーンを繋ぐこの遊歩道のゲートの役割を担うと同時に、都市での新たなアクティビティーを誘発するような場であり、都市的なスケールでみた家具のようなものとしてデザインしている。












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